常設展示改善の取り組み

―より新鮮で、より利用しやすい展示へ―

 当館では、常設展の全面改装を検討しています。しかし、財政状況をはじめ、きびしい社会情勢のもとでは、実現に至るまでの道のりは遠い上、現在の常設展も十分に活用されてきたとはいえません。

 例えば、年間数回の展示替えをしている部門展示(人文)という部屋があり、館蔵資料をさまざまな角度から紹介していますが、展示替えが行われていることもほとんど知られていません。

 そこで、2003年度から、展示内容はもちろん、展示室の運営や活用にも改善を加えていきながら、次期常設展の方向を見定めたいと考え、順次取り組みを進めています。

 こうした取り組みを経て、2007年度には、目標の明確化のため、常設展更新基本計画(案)を策定し、今後の活動の指針としていくことになりました。

部門展示(人文)の計画的運営と広報の強化

 これまで、部門展示(人文)の展示替えは、速報的なテーマもありうることを想定していたため、長期的なスケジュールを立てていませんでした。しかし、それがかえって継続的な活動を見えにくくしていたきらいがあったと思います。

 そこで、年間計画をまとめるとともに、チラシを配布して広報に努めることにしました。2004年度からは、企画展・特別陳列とともに、年間の展示案内チラシとして作成・配布しています。

 さらに、2008年度からは、博物館資料の多様な世界を見ていただけるよう、人文系だけでなく、自然史の展示も行うことになりました。

新着資料等の展示コーナー(トピックコーナー)

 当館では、資料を購入するほか、県民のみなさんからの寄贈・寄託を受け入れることで、収蔵資料を充実させてきています。しかし、新たに受け入れた資料を公開する機会がすぐに訪れるとは限らず、長期にわたり公開できない場合もあります。

 そこで、2003年9月から、ラプラタ記念ホール出口近くにケースを設置し、新着資料や未公開資料等を展示することにしました。このコーナーは、「トピックコーナー」と命名され、随時展示替えをしてきました。

 新規資料購入ができなくなり、資料収集ペースが落ちてきたこと、部門展示(人文)で全分野の展示を行うことになったことなどから、2008年6月でいったん休止しました。

第1弾として実施した地学資料の展示(2003.9)

総合展示の大テーマサインの新設

 総合展示は、7つの大テーマで構成されており、天井からコーナー区分のサインを吊してありますが、目に入らないため、改善を求める声が寄せられていました。そこで、新しく小型のサインを室内に設置しました。

大テーマサインの一例(「藩政のもとで」)

県内関連博物館情報の提示

 徳島県内には、当館以外にも多数の博物館があります。これらの中には、当館の展示内容と関連し、しかも、当館にはない魅力を持っているものが少なくありません。そこで、当館を見学くださったお客様が、さらに知識や経験を深めていく参考にしていただくため、いくつかのコーナーで関連博物館情報を提示するようにしました。また、徳島県博物館協議会発行の「徳島博物館マップ」も展示室内に掲示しました。

藍商人の帳場に置かれた関連施設案内パネル
チャレンジコーナーの設置

 近年、博物館での体験活動を求める流れが強くなっています。資料に親しむきっかけづくりとしては有効と考え、2008年6月、収蔵資料をもとにした体験キットを楽しんでいただく「チャレンジコーナー」を設けました。スタンプと土器パズル、ぬり絵を用意してあります。

  

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