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文化の森の植物観察 目次

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目立つ実の秘密
 ある朝,博物館のベランダに出てみると一面に青いペンキがまかれていました.びっくりしてよく見てみると,ペンキではなく,鳥の糞でした.青い実を食べた後だったので,その糞も青色で,ペンキと間違えたのです.その中をよく見ると,いろいろな種子が混ざっていました.
 秋から冬にかけて林の中を見てみると,シロダモやアオキなどのように赤い実がよく目立ちます.また,中心が黒や濃い紫色をしていてもそのまわりが赤く,ひときわ目立つクサギやゴンズイの実を見つけることもできます.人にたとえると,いろいろな色の服を重ね着して目立つようなものです.
 植物たちは,分布を広げるためにさまざまな工夫をしています.鳥によって種子を運ばせるのもその一つで,糞の中に含まれる種子も発芽することができます.中には鳥に食べられることによってはじめて発芽するものもあります.
 植物はどのようにして鳥に実を食べてもらうのか,また,鳥はどんな実を食べているのか,鳥と植物の駆け引きに注目してみましょう.