測地系変換にともなうずれ

 タンポポ調査ではメッシュは日本測地系、経緯度は世界測地系の経緯度を用いました。そのため、経緯度で記録されたものは一旦、日本測地系に変換してメッシュの計算を行う必要があります。国土地理院からはTKY2JGDという測地系の一括変換ツールがありますが、多くのデータをそのプログラムにいちいちかけてやるのは非効率的です。そこで、ネットで調べたところ簡易式が使えることがわかりましたのでそれを用いていました。しかし、その誤差はどのくらいになるのか気になるところです。当時もそのずれを計算して、これなら大丈夫ということだったので使いましたが、再度計算しなおしてみました。

計算方法

1.日本測地系(Tokyo)の三次メッシュの南西端の緯度経度を日本測地系で算出(381,509地点)
2.その値を世界測地系(JGD2000)に次の2種類の方法で変換
2-A:値A
   国土地理院から配布されているTKY2JGDで変換
   http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/tky2jgd/
   ※座標変換パラメータ・ファイル Ver.2.1.2:硫黄島(小笠原村)を含む
2-B:値B
   簡易式による計算
   http://homepage3.nifty.com/Nowral/02_DATUM/02_DATUM.html
   緯度(世界測地系)=緯度(日本測地系)-0.00010695×緯度(日本測地系)+0.000017464×経度(日本測地系)+0.0046017
   経度(世界測地系)=経度(日本測地系)-0.000046038×緯度(日本測地系)-0.000083043×経度(日本測地系)+0.010040
   単位は度(D)
3.両者の差(値A-値B)の絶対値を計算

結果

 緯度方向と経度方向の2つのずれを算出しました。

緯度方向のずれ

mesh

 西日本の調査範囲のほぼ全域が0.1秒未満になりました。しかし、小笠原、南北大東島などが誤差が大きいこともわかりました。

 

  詳しいPDFファイル

  緯度の誤差の大きい地点

経度方向のずれ

mesh

 経度方向のずれも、緯度と同じパターンでした。ただ、こちらのずれの方がややおおきくなるようで、西日本の範囲では0.2秒以内におさまっています。小笠原、南北大東島などが誤差が大きいのも同じでした。

  詳しいPDFファイル

  経度の誤差の大きい地点

 以上の結果から、タンポポ調査西日本の範囲であれば、簡易式でも十分変換できることがわかりました。

戻る