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徳島の白亜紀前期の地層(海成層)

 徳島県の羽ノ浦丘陵や勝浦盆地周辺、そして那賀川北岸沿いにかけて、白亜紀前期(オーテリビアン期~アルビアン期)(約1億3000 万~約1億年前)の地層(物部川層群、南海層群、竹ケ谷層群)が分布しています。その大部分は、海で堆積した地層(海成層)からなり、アンモナイトや二枚貝、巻貝、ウニなどの海生の無脊椎動物化石が多く産出します。これらに相当する地層は、徳島県だけでなく、九州南部、四国西部、紀伊半島、中部地方、そして関東まで点在的に見られ、含まれる化石も非常に似ています。


徳島県と高知県東部の白亜紀前期の地層の分布
(※ Kozai et al, 2004 に基づいて作成)

勝浦盆地周辺の白亜紀前期の地層の分布
(※石田・香西, 2016 に基づいて作成)

徳島県勝浦町広安に露出する羽ノ浦層

羽ノ浦層の砂岩層に密集するプテリネラ(二枚貝)

徳島の白亜紀前期の地層(陸成層)

 徳島県の物部川層群や南海層群、竹ケ谷層群の地層の大部分は、海成層からなりますが、その一部(物部川層群立川層、物部川層群羽ノ浦層”日浦相”、南海層群菖蒲層など)は、干潟や河川、湖などの環境で堆積した地層(陸成層・非海成層)もあります。非海成層からは、保存良好な植物化石(シダ植物や裸子植物)、淡水・汽水生の貝類化石など、陸域に生育・生息していた動植物の化石を産出します。


徳島県勝浦町に露出する立川層

白亜紀前期(約1億3000万年前)の徳島県勝浦町周辺の様子

 勝浦町の恐竜化石を含む地層からは、恐竜化石の他に、カメの甲羅やワニの歯、硬鱗魚(ガーやアミアの仲間)のウロコ、淡水生のサメの仲間の歯などの脊椎動物化石が発見されます。この恐竜化石を産出する地層は、植物片を多く含む砂質泥岩からなり、大きな河川の周辺に広がる湿地帯(氾濫原)や湖で堆積したものだと推定されます。
 この湿地帯の水中には、硬鱗魚や淡水生のサメの仲間が泳ぎ、カメ類やワニ類などの爬虫類も生息していました。そして、この湿地帯周辺には、植物食や肉食性の恐竜が生息しており、その遺骸が化石となって、地層中から発見されます。



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