徳島県立博物館の新たな試み

―より充実した博物館をめざして―

 財政の逼迫などの影響下で、全国的に博物館をめぐる情勢はきびしいものがあります。そうした中で、博物館はそれぞれにその存在意義を再確認し、針路を定めていくことが求められています。ただ、その中で忘れてはならないのは、博物館は歴史・文化や自然史に関する資料を保存・公開する機関であり、その役割はほかに代位できるものではないということです。保存・公開の背景には、絶えず調査研究が蓄積されなければなりません。そうした「原点」を守りながら、社会的ニーズに応える方向を考えることが不可欠なのです。

 徳島県立博物館でも、次のような新たな取り組みを行っています。

●これからの博物館のあり方の模索
 平成15年度第1回徳島県立博物館協議会で、初めて評価制度の導入について議論いただきました。さらに、同年度第2回協議会では活動目標の素案を検討していただきました。それを踏まえた館内の議論により中期活動目標(案)を策定し、16年度第1回協議会に諮り、ご審議いただきました。これにより、16〜20年度を期間とする中期活動目標が決定されました。以後、目標の達成に向けての活動展開や、目標の見直しを継続しながら、活動を進めています。
 この流れの中で、「元気な博物館づくりプロジェクト−親しまれる博物館を目指す評価手法の開発−」を構想し、17年度文化庁芸術拠点形成事業に採択されました。

●第2期中期活動目標の策定
 上記の中期活動目標最終年度である平成20年度には、次期目標の策定に向けて作業を進め、21年度協議会での審議・承認を経て、正式に21〜25年度を期間とする第2期目標が定められました。

●情報公開の促進
 毎年発行している年報(前年度事業報告書)の内容や博物館協議会の議事録をホームページ上でも公開しています。

●積極的な資料公開(常設展活性化に向けて)
 これまであまりPRしてこなかった部門展示(人文)の計画的な展示替えと広報の推進を図るとともに、新着資料等の展示コーナーの開設を行いました。さらに、より使いやすく、新しい情報を盛り込んだ常設展になるよう見直しを進めてきています。そうした活動と昨今の社会情勢を踏まえ、平成19年度には、常設展更新基本計画(案)を策定しました。

●県民との協働の推進
 従来から、友の会の会員によるボランティアや調査活動におけるボランティアなどの取り組みをしてきましたが、平成17年度からは取り組みを一歩進めて、博物館を活動の場とするボランティアの受け入れと育成を始めました。公募により集まったボランティアのみなさんと学芸員とが協働して、多くの人に博物館に親しんでもらうためのイベント企画・運営を推進しています。
 19年度には、若者との連携を中心課題として、文化庁芸術拠点形成事業「ヤングボランティアとの協働による体験キット開発事業」にも取り組みました。続いて20年度には、徳島大学工学部主催の科学体験フェスティバルにも参加し、活動の幅を広げました。

関連ページへのご案内

活性化に向けての
外部意見

(徳島県立博物館協議会の記録)
中期活動目標
事業の記録
(徳島県立博物館年報)
平成17年度
文化庁芸術拠点形成事業
 常設展改善の取り組み

常設展更新基本計画(案)

  


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